三人が離れてくれませんっ
やってく自信
家に着くまでの間、懐かしい話に花が咲くと思っていたけど、ほとんど今の学校の話の方が多かった。
途中途中話を聞いていない、たーちゃんはしゅーちゃんに怒られてるし。
何度も大声で二人とも騒ぐから、すれ違う人に見られながらの下校となった。
……やっぱりいっちゃんは一度も止めに入らないまま。
「ここだよ」
ごく普通の一軒家。
「あれ、お母さんいないかも」
携帯を見れば、メッセージがきていて
"手術の日程、先生とお話してきます。遅くなるから食べててね"
「……とまぁ、挨拶の機会先延ばしになりそうだけど?上がる?」
読み上げて三人に伝える。
「手術って……つか何でそもそもお前が来たのか聞いてねぇわ。そっからだな」
「きぃさんでしょ」
いっちゃんが言う、きぃさん──わたしのばあちゃんの名前だ。
そう言えば小さい頃、三人ともきぃちゃんって呼んでたっけ。
「……だから何で知ってんの?」
わたしとしゅーちゃんも同じ気持ちよ、たーちゃん。
「なんとなくっ」
だけどやっぱり笑ってごまかすのがいっちゃん。