三人が離れてくれませんっ
「紫ー乃、帰ろ」
「うん」
放課後はいっちゃんが迎えに来てくれて、たーちゃんは校門前。
しゅーちゃんは、廊下や昇降口とばらばらだけど必ず待っていてくれる。
一人で帰れるよ、と伝えても三人は軽く流すだけで聞いてはくれない。
「子供の時も遊んだ帰りは必ずわたしのこと送ってくれたよね」
二、三歩前に出て振り返って後ろ向きに歩きながら言えば、それぞれの反応が返ってくる。
「そういやそうだったな。つっても家近ぇし当たり前だろ。たまに匠は途中で帰ってたけどな」
「紫乃んち着く前に僕の家があったからねー。二人居るならいいと思ってた」
「その点、俺と愁は皆勤だと思うよ。遊びの迎えも送りもね」
「そうだねっ」
一人で大丈夫なのに、と思う反面……
見た目こそ変わったけど今の三人と話す時間が増えたから、気を張っていたわたしだけど、少しずつリラックスできるようになった。