三人が離れてくれませんっ




あまりにもわたしが泣くもんだから、しゅーちゃんはわたしに引っ越す日を言わないで、そのまま離ればなれになって──




三人が住んでた家には他の子が引っ越してきたり、老夫婦が越してきて、わたしは学校行くのが嫌になった時期も。


朝は泣きながら学校行って、帰ってきてまた泣いての繰り返し。




完全に吹っ切れたのは小学校を卒業するころだったかもしれない。





「……それなら良かった」




わたしの返事にいっちゃんは穏やかに笑ってくれたから、わたしも自然と笑みを返す。



「あー食べた食べた満足」


「そーかよ」



たーちゃんもしゅーちゃんも、包み紙をぐちゃぐちゃに丸めてトレーに軽く投げる。

そしてしゅーちゃんが立ち上がって無言のまま奥の方へ背を向けて歩いて行けば、



「僕も(かわや)行ってくるわ」



「あ、うんっ」




たーちゃんはわたしの頭を支えに立って、しゅーちゃんに続いた。





──いっちゃんと二人だ






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