三人が離れてくれませんっ
──お腹を満たし、三人に送られわたしの家に倒着。
「送ってくれて、ありがと。家、片付いたからまた遊びにでも来てね。……じゃあ帰り気を付けて」
気を付けて、なんて三人には言わなくても強いんだろうけど。
「うん、またね紫乃」
「ばいばーい」
「じゃあな」
手を振って見送りたいんだけど、三人は口で言うだけで帰る素振りがない。
「えっと……帰らないの?」
わたしのこと送ってくれたんだから、何も心配はないと思われるのだけど……
何で?
玄関前で突っ立ったままのわたしに、しゅーちゃんが小さく息を吐く。
「いいから早く中入れよ」
「え、うん……」
ぎこちなくポケットから鍵を取り出しドアを開けて中に入り、閉めかけの隙間から顔を覗かせた。
「またね」
三人に手を振り、しゅーちゃんは返してくれないものの、二人は軽く返してくれるのを見て、わたしはドアを閉めた。