三人が離れてくれませんっ


その隣にいるたーちゃんは何故か目を見開いていたが、しゅーちゃんの手によりソファへと頭を沈められ、わたしといっちゃんは顔を見合わせた。




「何?ちゃんと言ってよ、愁でも匠でもいいから」



「なんでもねぇっつの……早く紫乃座れせろよ」



しゅーちゃんは目を背けたいのか、もう後頭部しか見えないくらいそっぽ向くし、


たーちゃんは、やめろともがいて顔を上げた。



「樹、もうちょいこっち向いてくれない?」


「ばっ!?ふざけんなよ匠!樹ぜってぇ向くな!」




くいくいっと、手で誘導するたーちゃんをしゅーちゃんが必死に目隠しして止めにはいる。自分も顔をそらして。



「ちょっと愁、手ェ邪魔で見えない」

「見んな。ぶん殴んぞ」




「全然意味わからないんだけど?二人して何騒いでんの?」


いっちゃんが深く息を吐いて、呆れたように聞けば、目隠しされたままのたーちゃんから理由が明かされる。



「紫乃のスカートの中見えそーなの」



「は?」

「バカ!!ばらすな!樹今のうちに座らせろって!」




スカートの中って──……


制服のまま横抱きにされたからっ


< 44 / 82 >

この作品をシェア

pagetop