三人が離れてくれませんっ
たーちゃんといっちゃんの間に、よからぬ雰囲気を感じたのはわたしだけではなく、
もっと敏感に感じているであろう、
しゅーちゃんがゆっくりかつ静かに口を開いた。
「……お前ら、紫乃の前で一々小言言ってにらみ合い続けるつもりか」
視線は誰のことも見ず、俯くしゅーちゃんを二人は見据えてる。
しゅーちゃんの一言で空気が引き締まった、と言うのか、背筋が伸びるような感覚がして、わたしもしゅーちゃんに目を向けた。
「こいつと居る時に、ダセェことしてんじゃねぇよ」
しゅーちゃんは立ち上がって、リビングを出ようとするから、わたしも咄嗟に立ち上がった。
「邪魔したな。……また来る」
「……うん」
わたしの頭を軽く叩いて、しゅーちゃんはドアを閉めた。
残された二人には、なんとも言えないという表情をする。
「……愁の言う通りだね。ごめん紫乃も匠も。俺も帰るよ」
いっちゃんは、ゆっくりとリビングをあとにし、
「はぁ……僕も帰る流れじゃん。紫乃、またね。お菓子、食べていいから」
たーちゃんも、ダルそうに扉を開けて手を振りながら帰っていった。