三人が離れてくれませんっ




たーちゃんといっちゃんの間に、よからぬ雰囲気を感じたのはわたしだけではなく、


もっと敏感に感じているであろう、
しゅーちゃんがゆっくりかつ静かに口を開いた。




「……お前ら、紫乃の前で一々小言言ってにらみ合い続けるつもりか」



視線は誰のことも見ず、俯くしゅーちゃんを二人は見据えてる。


しゅーちゃんの一言で空気が引き締まった、と言うのか、背筋が伸びるような感覚がして、わたしもしゅーちゃんに目を向けた。




「こいつと居る時に、ダセェことしてんじゃねぇよ」



しゅーちゃんは立ち上がって、リビングを出ようとするから、わたしも咄嗟に立ち上がった。



「邪魔したな。……また来る」


「……うん」



わたしの頭を軽く叩いて、しゅーちゃんはドアを閉めた。



残された二人には、なんとも言えないという表情をする。



「……愁の言う通りだね。ごめん紫乃も匠も。俺も帰るよ」



いっちゃんは、ゆっくりとリビングをあとにし、




「はぁ……僕も帰る流れじゃん。紫乃、またね。お菓子、食べていいから」



たーちゃんも、ダルそうに扉を開けて手を振りながら帰っていった。


< 48 / 82 >

この作品をシェア

pagetop