三人が離れてくれませんっ
「わたしの名前、紫乃ですけど……」
状況をいまいち把握していないわたしに、大人しくしていたしゅーちゃんが、説明してくれた。
「この金髪が葛西匠。同じく近所だったろ?お前がよく着せ替えて遊んでた奴」
「えっ匠……あ!たーちゃん!!」
「あー久々に聞いたそれ。ってか着せ替えとか思い出させないでくれる?」
「で、そっちの赤髪が……」
「南條樹。紫乃の中では、いっちゃんだね。俺含めて、よく四人で遊んでたの。思い出した?」
「……いっちゃん」
──確かに、家が近くてよく四人で遊んでた。
でも、わたしが知ってるの三人とは全然違う。
身長と声はわかる。男の子だもの。
だけど、見た目が……余りにも変わりすぎて、子供の頃一緒に居たねって言われても、素直にうん!とは言えない。