三人が離れてくれませんっ
「ねぇキミ、そこ避ーけて」
昼休みと同様、わたしの前の席の人を強引に退けて座るたーちゃん。
だけど……今日は退けるだけではなかった。
「あとさ、僕の机と椅子持ってきて。今から僕ここのポジション貰うから、君は後ろとかどっか使って」
──え?
ヤンキーくんは、不服そうに眉を寄せるもたーちゃんに従い、教室を出ていった。
「ちょ、どういうこと?今からここ使うって」
「なんかさー昼休みに来るのはいいけど、階違うから距離あんじゃん?だから教室一緒にすれば、いっかなって思ったから」
「え──」
わたしが何かを言う前に、たーちゃんは首に掛けていたヘッドホンをしてしまった。
距離があるからって……二年の教室から一年生の教室に移るってアリ?
なわけないよね。
恐らく先生とかに無断でしてるわけだろうし。