三人が離れてくれませんっ




──心配していたけど、この日いっちゃんは帰りになってもわたし……たちの教室に来なかった。



だから帰り道、しゅーちゃんたちに尋ねてみることに。



「……いっちゃん、今日休み?」


「ま、休みという名のサボりっしょ。僕もよくサボるし」


「樹はごく稀にある。っても匠は紫乃が来てから皆勤じゃねーの?」


「そうなのー僕偉くない?」

「偉くねーよ」





ごく稀に……


サボりってこともあるけど、単に風邪の可能性もあるよね?
ヤンキーだから風邪引かないとかないし。



「二人とも、いっちゃんから連絡きてたりとかしないの?」


「あーほとんど携帯での会話ないね。毎日のように顔合わせんじゃん?会った時でいいやーって」


「だな。いちいち文字のやり取りより言っちまう方が楽だし」


「そっか……」


「大丈夫だって。明日になれば、けろっと会いに来るよ、樹なら」






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