三人が離れてくれませんっ





その後すぐいっちゃんは机を持参して、わたしの隣に来た。……前と左右から三人に囲まれるという。

……これで学年コンプリートしちゃったよもう。


授業はいっちゃんだけまともで、たーちゃんはもう置いといて。しゅーちゃんは寝たり起きたり。


でも一番厄介なことが起き始めた──



昼休み、屋上にて各々がご飯を広げたまではいいのだけど……




「はい、あーん」


「い、いや……大丈夫っ」



いっちゃんは自分のおかずを食べさせようとしてくるし、


「膝枕してー背中疲れた」


たーちゃんは寝てくるし、


「紫乃、それ一口」


しゅーちゃんはおかずをねだってくる。




「待って、つまようじ……」

「いらね、早く」


箸を持つわたしの手を誘導して、しゅーちゃんは
卵焼きを掴み食べた。


「しゅ、しゅーちゃっ……!?」


「はーい、紫乃お口ばっちぃからちゅーして消毒しよっか」

「はい!?」


膝に寝ていたーちゃんがそう言って軽く起き上がってくると、


「はいはい、紫乃口拭こうね」

「匠ぃ……ばっちぃってなんだばっちぃってよ!」





「……はぁ」


──今日からこれが、

わたしの日常になるのか……



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