三人が離れてくれませんっ





──寒い……冷たい……




何処からかもれてくる風の音に、少しずつ意識が覚醒していく。




……あれ?




目を開けたのに、視界は真っ暗で。

塞がれていることがわかり、すぐに手足の違和感にも気付けた。




後ろに両手、足も縛られてる──!?


縄のざらついた感触に焦って身動ぎすれば、







「おっ、お目覚めなさったぜ」


「……っ!?」



見えない誰かの声がして、血の気が引いていく。



この状況でわたしの身に何が待つのかなんて、そんなに選択肢はない……



誰なの?──唯一解放されてる口でそう聞きたいのに、喉が詰まってるみたいに声が出ない。



唇を震わせていると、不意に膝が撫でられた。


「んっ……!?」


「あっはは!カワイー」


往復する手に不快感を抱き、起き上がろうとしたがうまく動かせなくて……


数人のせせら笑いが聞こえ、何も見えないから耳だけが敏感になっていく。



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