三人が離れてくれませんっ
複数の嫌な笑い声と風の音しか、わたしには情報がない。
ポケットの中の携帯にすら、手が届かなくて。
困ったら言えって言われたのに、
手段がない。
「……っう」
「どしたー?声も出ない感じですかァ」
横たわるわたしの顎が引かれ、また笑いが起きる。
「……だ、誰ッ……何のつもり!」
なんとか絞り出した震える声で、虚勢をはっても心臓は嫌な鼓動を刻んでいく。
何処で、
誰が、
何故──何もわからないから
こわい。