三人が離れてくれませんっ
「……大丈夫?紫乃」
「ありがと」
わたしの縄をほどいて、たーちゃんの視線は逃げようとする五人へ向く。
「ちと、待ってて。五人、オモテナシしてくるわ」
珍しく、目を光らせるたーちゃん──それと、
「樹」
比べ物にならない眼光をいっちゃんに向けるしゅーちゃんは、総長としての威厳に満ちていた。
「……痛ったいなぁ、もう。話すよ」
頬を擦りながら、上体を起こしたいっちゃんは、事の理由を口にしていく。