三人が離れてくれませんっ
困ったら……三人と別れて教室に入った瞬間に呼びたくなる気がしてならないけどね。
でも、これは心強いかも──
「僕はパース。めんどくさいし。何かあっても愁と樹いれば大丈夫でしょ?」
そう言ってたーちゃんは、ひらひらと手を振って歩いていく。
「匠……そんなこと言わないであげてよ。紫乃は女子一人なんだから。最初だけでも協力しよう」
「い……いいよ、いっちゃん。わたし大丈夫だから。一人って分かってたし、なるべく迷惑かけないように早く慣れて見せるから」
肩越しに振り向いていたたーちゃんに大丈夫と笑みを見せ、いっちゃんにも力強く笑って見せる。