なぜか悪役令嬢に転生していたので、推しの攻略対象を溺愛します


 目をギラつかせる魔獣が目の前に。
 長閑な田舎にどうして魔獣がいるのだろう? なんて意味のない疑問が浮かぶ。
 大きな口が開いて、鋭い牙が見える。

 ああ、食べられて死ぬんだろうなと本能でわかった。


「アリア…………っ!」


 と叫ぶ、幼馴染のロベルトを視界の端に捉えた瞬間。


 このイベント見たことあるなと思い出した──





 
 結論から言うと、この魔獣に襲われるイベントで私は死なない。幼馴染のロベルトが私を救おうと、魔術の力を覚醒させる。



 ロベルト()の瞳の色が紫に光って、身体からキラキラした光が溢れていく──



 私の名前はアリア、七歳。
 たった今、前世の記憶を取り戻した。前世の私は、日本という国に生まれ育った普通の大学生。大学に向かう途中、交通事故に遭い、短い人生を終えた。

 幼馴染のロベルトは、前世でプレイした乙女ゲーム『闇に浮かぶ星空☆あなたを救うから』通称『闇星☆』の攻略対象者。

 この『闇星☆』の最大の特徴は、攻略対象者の全員が何かしら女性から受けたトラウマを抱えている。闇星☆にヒロインを邪魔する悪役令嬢は出てこないから、トラウマを与えた女性を悪役令嬢と呼ぶ。
 攻略対象者をヒロインが慰めたり、励ましたり、時に叱ってあげながら好感度を上げていく。そして、愛の力でトラウマを克服した攻略対象者たちと魔王を一緒に倒すという乙女ゲーム。

 ヒロインと距離を縮めていく学園編、両想いになって卒業間際に向かう魔王討伐編。私の推しは、天才魔術師のロベルト様。過去のトラウマから魔力の宿る左眼を眼帯で隠している。


 そういうわけで、『闇に浮かぶ星空☆あなたを救うから』の世界に転生したのは純粋に嬉しい。推しのロベルト様の幼い頃を見れるなんて美味しいのに、どうして、どうして──


 ロベルト様(攻略対象者)にトラウマを植え付けた幼馴染の悪役令嬢(アリア)に転生しちゃったの──!





 目覚めたら自分のベッドに寝ていた。

「アリア……っ! 気づいてよかった……っ」

 ベッドの横にロベルト様が座って、私の手を握っている。えっ、ファンサですか? 推しからのファンサですか? と鼻血が出そうになりつつ、思い出した。

 乙女ゲームのアリアは、魔獣に襲われたショックでロベルト様に酷い言葉をかけてしまう。更に、瞳の色が片目だけ紫になったことが気味悪くて、命の恩人のロベルト様を無視し続ける。


 ばかなの……?
 ねえ、アリア()はバカなの?
 命の恩人のロベルト様にお礼も言わないで、罵倒して、無視して、どんな宝石よりも綺麗な瞳を気味悪がるなんて、どうかしているとしか思えない。

 そこまで考えて、ハッと気づいた。アリア()がトラウマを植え付けたなら、アリア()が酷いことを言わなければ、ロベルト様にトラウマなんて存在しないのでは……?

 転生の神様、このタイミングで記憶を取り戻させてくれて、ありがとう。即行、感謝の祈りを捧げた。シナリオ通りではなくなるし、眼帯のロベルト様は見れなくなるけど、推しのロベルト様にひどいことなんて言えない。無理無理。


「アリア……?」

 なにも話さないでいたら、ロベルト様が不安そうに見つめている。揺れる紫の瞳。はあ、尊いです。

「あっ、あの、ロベルト様、助けてくれてありがとうございます」

「な、なんで、様なの……? アリアも、ぼ、ぼくのひとみが怖いの……?」

 ぐすぐすと泣き始めてしまったロベルト様に、胸のきゅんきゅんが止まらない。推しの涙、可愛すぎる。

「ロベルトは怖くないよ。あのね、すごく格好よかった。助けてくれて、ありがとう──紫色の瞳、綺麗だね」

「ほ、本当……?」

「うん。ロベルトの瞳、宝石みたい。ずっと見ていたくなるよ」

「うれしい……アリアにきらわれたら、ぼく、ぼく……」

 ぐすんぐすん泣いちゃうロベルト様、なんてきゃわわ。頭をなでなでして慰めた。

「あのね、ぼくもアリアの水色の瞳が好きだよ。これからも、ずっと見ていたいな」

 あれ? この台詞ってヒロインの好感度MAXになったときに言われる台詞だったような気がする。悪役令嬢と攻略対象者の溺愛ルートなんてなかったはずだよね……? 


 ◇


 あれから数年が過ぎて、私もロベルト様も十五歳になった。
 魔術の力を覚醒したロベルト様は、あと数日すると王都の学園に行く。つまり学園編を迎えることになる。魔力なんてこれっぽっちも持たない私は、一緒に付いていけないことが辛い。切ない。悲しい。闇星☆のスチル集めしたかった!

「ぼく、アリアにしか紫の瞳を見せたくない!」

 眼帯を着けなくて残念だと思っていたら、トラウマからではなく眼帯を着け始めたロベルト様。推しにそんなこと言われて、光の速さで転生の神様に祈りを捧げました。

 ロベルト様にトラウマを植えつけなかった結果、幼馴染の距離より近い距離感で、幼さがどんどん抜けて麗しく成長するロベルト様を目に焼き付けました。カメラがないのが、残念、無念!

「王都に行きたくない……」

「ロベルトなら大丈夫だよ。きっと魔術が向いてると思うし、素敵な出会いだってあると思うよ」

 天才魔術師のロベルト様になって欲しいし、ヒロインと出会って恋に落ちて、魔王を倒して欲しい。少し胸がちくちくするけど、ヒロインも見れない幼いロベルト様の成長の思い出を、脳内でエンドレスリピートして生きていくつもりだ。

「アリアがいればなにも要らない……ぼくもアリアと一緒にパン屋で働く……」

 うるうる瞳を向けられると心臓に矢がトスッと刺さる。やめて、イケメンなのに子犬系なのに眼帯で上目遣い。属性がせめぎ合うのに、邪魔しないで仕事するのは、なあぜなあぜ?

「ロベルトは、お料理向いてないからやめよっか?」

 天才魔術師の卵のロベルト様だけど、生活能力がゼロどころかマイナスに振り切れている。鍋が爆発するってなんでだろう? それを可愛いって思っちゃうのも、なんでだろう?

 むぎゅうと抱きつかれる。ロベルト様の頭をなでなでしながら諭すと、こくんと頷く。可愛くてどんどん甘やかして愛でた結果、ロベルト様はきゅうんわんこになってしまった。はあ、かわよ。

「ロベルトがかっこよく魔術使うところ見てみたいな?」

「分かった……アリアに魔術を見せるために頑張るから……」

 原作では、王都に行ったロベルト様はヒロインに夢中になって田舎に帰ってこない。私はロベルト様のこれからの活躍を祈って送り出した。毎日、枕は涙でびしょ濡れに。悲しすぎる。推しに会えない。つらたん。


 ◇


 天才舐めてました。夏休みに戻ってきたロベルト様に、転移魔術を覚えたから田舎と王都の学園寮を繋いだとあっさり告げられて、眩暈がする。推しのチートが絶好調。感謝の祈りを!

「いらっしゃいませ! あっ、ロベルト。おはよう」

「アリア、おはよう」

 毎朝、私の働くパン屋にやってきてランチのパンを買っていく。ヒロインの手作り弁当で仲を深めたような気がするんだけど、ロベルトルートじゃないのかな? 

「ロベルト、他の子から差し入れとかないの?」

「アリア以外の作ったものなんて気持ち悪くて食べないよ。ベーコンエピとハムチーズサンドイッチを全部頂戴」

「うう、どうして私の作ったパンが直ぐに分かるんだろう? ああ、師匠に追いつきたい。でも、今日は自信があったのに……あと、お腹壊しちゃうから全部はだめだよ。三個までね?」

「アリアの作ったものは、ぼくが全部食べたいのに。仕方ないから三個ずつで我慢するね。あと、ぼくがアリアのパンを間違えるわけないでしょう」

 パンを袋に詰め終わると、行ってらっしゃいとお店の外で手を振った。

「いってらっしゃい、ロベルト。気をつけてね」

「行きたくない。アリアの働くところ、ずっと見ていたらだめ?」

「私だってロベルトが学園で頑張ってるところ、ずっと見ていたいのに! ずるいからだめ!」

 発酵するパンみたいに頬を、ぷう、と膨らませる。ロベルトの両手で嬉しそうにガス抜きされた。お茶目な推しも可愛い。あっ、パン屋の師匠、店の窓からにやにや覗かないでください。


 ◇


 二年生になったロベルト様。魔物討伐実習で古竜が現れるイベントが発生。このイベントでヒロインと一緒に古竜を倒し、古竜の魔石をヒロインに捧げながら告白をする。
 
 目の前にスチルで見た魔石のペンダントがあるのは、なぜなの?教えておじいさーん。


「アリア、十六歳の誕生日おめでとう」

 ロベルト様の瞳と同じ紫色のペンダントは、古竜の魔石を加工したもの。これ一つで王都に豪邸を買っても、一生遊んで暮らせる。いやいや、そうじゃなくて、ヒロインじゃなくて幼馴染()に渡していいの? 

「…………気に入らなかった?」

「ううん。びっくりしちゃって……ロベルトの瞳の色だね」

「うん。アリアにぼくの色を身に着けてほしくって……だめ?」

 きゅうんと見つめられる。背が伸びても子犬わんこで、甘えん坊のロベルト様。闇星☆の世界で、自分の色のアクセサリーを贈るのは、求婚(プロポーズ)。背が高くて見下ろされてるのに、なぜかきゅうん顔。きゅうん、きゅうん、可愛すぎる。好きです。



「…………ロベルトが着けてくれる?」

「うん、喜んで。アリアに似合うよ」

 ヒロインさん、ごめんなさい。ロベルト様のきゅうん顔を断るなんて無理です。推しの誘惑にあっさり完敗、負けました。ロベルト様のとびきりの笑顔、尊死。

 闇星☆の世界は、女性は十六歳、男性十八歳にならないと結婚できない。ロベルト様の十八歳の誕生日に結婚予定。私たち、婚約しました。
 

 ◇


 ごめんなさい。調子に乗っていました。闇星☆のシナリオを無視して学園を卒業したロベルト様。闇星☆のゲーム期間も終わり、エリートの集う魔術省に就職していたから、油断して調子に乗っていました。




 ──魔王復活!!



 完全に忘れていた魔王。婚約に浮かれて、結婚式のドレスや新居の内装にうふふ、きゃふふ、していました。ゲームが終了して、ちゅっちゅばっかりしていたバチが当たったのかもしれない。


 魔王復活のニュースは、長閑な田舎まで届いた。


 魔王討伐に天才魔術師のロベルト様の力は絶対に必要。闇星☆のストーリーでは、トドメを刺すのは第二王子(攻略対象者)だけど、魔王を追い詰めたのはロベルト様だった。

「──ロベルト、魔王が復活したね……」

「そうみたいだね。僕は、魔王討伐メンバーの後方支援することに決まったよ」

「ほ、本当……?」

「うん、メンバーになりそうだったけど、アリアとの時間が減るのが嫌だから辞退した。まあ、魔王を倒すまで、休日出勤は増えちゃうかな。アリアに寂しい思いさせちゃうかも。ごめんね」

 ロベルト様から魔王討伐に行くと話されたら、頑張ってね、と送り出さなくちゃと思っていたのに。どんなにロベルト様が魔術の天才でも最前線に行くのは怖い。安心したら、ポロポロ涙がこぼれた。


「アリアの泣き虫」


 ロベルト様によしよしされて、ぎゅっと抱きつく。推しだけど、もう、ゲームのキャラだなんて思えない。男性として、格好いいのに、可愛くて、子犬甘えん坊で、眼帯してる属性大渋滞なロベルトを愛してる──!

「ロベルト、大好き……」

「うん、知ってる。でも、僕のほうが好きだよ。もっともっと僕に堕ちてきてね……。昔は僕の方が泣き虫だったけど、アリアは泣き顔も(そそ)られるし、涙も美味しそうだね、はあかーわいー……──アリアは、僕が守るからね」

 ぐすぐすしていて、ロベルト様の最後の言葉しか聞こえなかった。

 わんこみたいに涙をペロリと舐められる。それから、優しい手つきで紫色の指輪とイヤリングを付けられた。ロベルト様の独占欲三点セットが嬉しくて、またボロボロ泣く。いくらでも独占してほしい。そんなことを言ったら、ロベルト様に唇を思いっきり食べられた。


 ◇


 後方支援のロベルト様は、毎朝パン屋でパンを買って、転移魔術で魔術省に出かける。休日は殆どなくて毎日同じように出勤していた。魔王討伐はあまり上手く行っていないと戦況が伝えられて、予定通り結婚式を挙げていいのかと悩んでしまう。

「ロベルト、パンの差し入れって迷惑になっちゃう?」

 エリート魔術省の方たちに田舎のパンなんて迷惑かな? それでも休みなく魔王討伐に尽力している人になにかしたくて聞いてみる。

「アリアの作ったパンは世界一美味しいけど、アリアのパンは僕のために作ってほしいなあ……だめ?」

 きゅうんと見つめられる。駄目だ、この子犬わんこ顔に私は弱い。しかも眼帯付きだから、なんかもう属性攻撃がやば、やばい。とろりと潤んだ瞳で見つめるとか、顔が熱くて、本当だめ。


「真っ赤でかわいー。はあ、はやく結婚したい。はやく食べたい。アリア以外要らないから、魔王騒動中にさっさと結婚してくだらない縁談をねじ伏せようと思ってたんだけど。そっかあ、優しいアリアは魔王がいると、結婚するの後ろめたく感じちゃうなら直ぐに魔王を排除するかなー」

「ごめん、ロベルト。早口過ぎて、全然聞き取れなかった」

「なんでもないよ、ただのひとりごと。アリアが作ってないパンなら差し入れしてもいいよ。ここのパン、美味しいからみんな喜ぶと思うよ」

「わっ、本当? 師匠に言ったら喜ぶよ! じゃあ、おすすめを詰めるね!」

 師匠のパンを褒められて、ウキウキしながらパンを沢山詰めてロベルト様に渡した。それから数日後。



「魔王討伐、終わったよ」

「えっ?!」

 朝のパン屋で、なんでもないように告げられた。昨日の夜に決着が着いたらしい。驚きすぎて、ぽかんとロベルト様を見つめた。


「かーわいー。このまま押し倒したい。かわいいかわいいアリア。この村でアリアに邪な考えを持つ奴はいないように徹底的に排除と牽制をしたからパン屋で働くの許してるけど誰の目にも触れさせたくない。かわいいかわいい今すぐ食べたい。あと少しの辛抱だけどもう限界すぎてやばいな」


「あ……ごめん。ロベルト、思考停止してたみたい。なんか言ってた?」

「ううん、大丈夫だよ。結婚式、楽しみだね」

 大きく頷いた。ロベルト様のタキシード姿、楽しみすぎる。




 結婚式当日。
 カッコ良すぎるロベルト様に胸が苦しい。どうしよう、死んじゃうかもしれない。今日は眼帯なしで紫の瞳がキラキラ眩しい。

 永遠の愛を誓いあって、キス──しようとした時。



「ちょっと待ったあああああ──!」



 振り向いたら目がつぶれた。あっ、比喩の意味で。キラキラ眩しい顔面偏差値が天井突破な皆様。闇星☆の攻略対象者、第二王子(トラウマは女家庭教師の鞭)、宰相の息子(トラウマは姉の言葉責め)、騎士団長の息子(トラウマは義母のあれこれ)、そしてヒロイン。

 豪華スチルに目眩がする。よろめく私をロベルト様が支えてくれる。腰に回された手にキュンとしたら、おでこにキス。両手で頬を押さえて悶えた。不意打ちのキス、駄目。


「アリア、少しだけ待っててね」


 優しい笑顔で告げられて、こくんと頷いたら耳を塞がれた。なんにも聞こえない。

 闇星☆全員集まるなんてぽやあと見惚れてしまう。動いてる、話してる、息してる。本物に会えるなんて感動して、転生の神に祈りを捧げた。



「なに? 今、結婚式の最中なんだけど」

「ロベルト、だよな? えええ、笑うとこはじめて見たから、誰かわからなかったわ! いきなり転移魔術で現れて、魔王を魔術一発で倒しておいて、自分だけ転移魔法で帰るし、帰ってきて文句言おうと思ったら結婚式中だし、どういうことだよ?!」

「脳内彼女だと思ってたのに、本当にいたんだ──!」

「その妖精みたいな子誰ですか……? 紹介してほしいのですが……」

「ロベルト、いくらなんでも紫尽くめで独占欲丸出しすぎない? 古竜のペンダントもイヤリングも指輪も色々魔術式が組み込まれ過ぎてて、内容も才能もやばすぎない? ざっと見ただけで、位置情報感知魔術、感情察知魔術、音声通信魔術、盗聴魔術……」




「全員で話すな、煩い。黙ってて。あと、第二王子(ルーカス)はアリアのこと見ないで。本当減る」



 闇星☆のメンバーが集まるなんて、どうしてだろう? と考えて気づいてしまった。私が知らないだけで交流や友情が芽生えていてもおかしくない。ロベルト様は、後方支援でも魔王討伐メンバーの一員だった。

 ロベルト様のタキシードの裾をくいっと引っ張ると、蕩けるような瞳で見つめられた。はあ、旦那様が素敵すぎる。


「あの、もしかして、ロベルトのお友達が、結婚のお祝いに来てくれたの?」
 


 闇星☆メンバーに見守られて、ロベルト様と夫婦に。こんなに幸せでどうしよう。闇星☆メンバーの皆様は、すごく忙しいみたいでロベルト様の転移魔術で式が終わって直ぐに王都へ戻っていった。

 戻る直前、お土産に前世の知識をもとに師匠と開発したメロンパンとカレーパンを渡す。ロベルト様の視線が痛かったけど、でも、もう闇星☆の皆様に会えるなんて奇跡は起きないから、許してほしい。


 迎えた初夜。

 子犬甘えん坊ぼくっ子のロベルト様が、夜になると狼エンドレスおかわり様に大変身。推しの知らなかった色っぽくて艶やかな一面にきゅんきゅんズキューンで、私はしばらくベッドの住人になった。
 私の眠りこけている間に、魔王討伐パレードがあったことをロベルト様にお世話されながら聞いた。最高のスチルを見逃して泣いたら、ヨシヨシされて気分上昇。
 

「アリア、………もう一回、だめ?」

 
 きゅううん、と子犬わんこ顔でねだられる。だめなんて言えない。悪役令嬢に転生したけど、こんなに幸せでいいのか不安になる。頷いた途端に、甘えん坊子犬わんこが肉食狼に大変身。きゃうんきゃうん子犬みたいに鳴かされた。不安はどこかにさようなら。


 闇星☆メンバーが、何度も長閑な田舎に突撃してくるようになったり、メロンパンとカレーパンが王都で大流行したり、ロベルト様が本当は魔王を討伐していたと知って大喧嘩する話は、また別の機会にでも。

 
 

 おしまい。
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