プロポーズ




「僕にとっては、すごく遠回りな恋でした。もっと早く言ってもよかったんですけどね。


でもまあ、今こうしていれるので、今までの瞬間も全部報われたような気がしています。」




声を震わせて強く話すこの人が、すごくすごく、愛しいと思った。


「せっかく、俺のとこに来てくれたから。


全力で、幸せにします。」




まあ、って声が会場から聞こえる。


お母さんはもうボロボロに泣いていて、お父さんさんもボロボロに泣いていて。


航平が最前列でガハハ!くっせぇ〜って笑いながら誰よりも大きく拍手をする。




この幸せな空間が、永遠に続けばいいのに、と思った。


この人が守ってくれた空間を、幸せを、
これから待ってる人生を、


抱きしめて歩いてゆこう。


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