プロポーズ
マンションに着いたとき、「ココアでも飲んでけば?」って言われたから、その言葉に甘えて亮ちゃんの家にあがる。

ソファの上の洗濯物と散らかった雑誌をどけて、空いたスペースに腰を下ろす。
亮ちゃんが「花だけだよ」って笑う。「この部屋見て驚かないの」

今更何言ってんの?って思った。それは顔にも現れてたらしくて亮ちゃんが、首の後ろをポリポリ掻く。

亮ちゃんと私は、生まれた時から家が隣で、長子同士なので物心つく前から一緒に遊ばされていた。
幼稚園から高校までずっと同じ学校だし、2人とも東京の大学に通うことになって家を出たときも、親が一緒に物件探しをしたもんだから同じマンションに住むことになった。


高校の時は航平もいた。
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