プロポーズ
航平の家から帰り道、亮ちゃんと自転車を2人乗りしてふざけて全力で坂を降りたとき、大胆にズッコケて私が大怪我をしたことがある。捻挫して歩けなかった私を亮ちゃんがおんぶしてくれて、亮ちゃんの自転車を航平が押して帰った。
その時は、お父さんにこっぴどく叱られて、亮ちゃんだけが悪いわけじゃないのに、亮ちゃんは泣きながら私に謝った。
巻き込まれて一緒に怒られた航平はお前らバカだなーって笑ってて、泣いてる亮ちゃんのほっぺの傷をツンツンってする。
「痛ぇよ、触んな」
「絆創膏貼ってもらえよ」って言って帰ってった。
私は亮ちゃんのほっぺに絆創膏貼りながら、「怒られちゃったね」って笑う。
亮ちゃんは、また、ごめん…って口を尖らせるから、亮ちゃんだけが悪いんじゃないよ、って言う。
ある夏の夕方、傾いた太陽が俯いた亮ちゃんの横顔を照らしていた。
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