神様、どうか目をつぶってください!
※
予感は的中しないでほしかったのに、見事なまでに的中した。
床も壁も油汚れでベタベタしている。
あちこちに散乱する生ゴミも目に入った。
全身鳥肌が立つ。
「次は厨房を徹底的にお掃除しまーすっ!」
金切り声になってしまった。
けれど、踵を返して逃げなかっただけでも褒めてほしい。
「神様、聖水をこのようなことに使ってしまう私をどうかお許しください」
「ジョゼって、そればっかだね」
「毎回それ言わないといけないの?」
『ぷぷっ』と笑うゴブリンたちを睨めつけ、それから高圧で聖水をぶちまけてやった。
ゴブリンたちは悲鳴を上げながら、厨房から一時避難していく。
でも相変わらず楽しそうだ。
厨房全体を高圧洗浄した。
出しっぱなしの鍋やフライパンもまとめて。
聖水は汚れを含みながら、壁から床へと流れ落ちる。
そうして、聖水が洗い流したあとは、全てがキラキラと光り輝く。