神様、どうか目をつぶってください!

「あの……?」

 近すぎて、ドギマギしてしまう。
 魔王様の申告は正しいのかもしれない。
 顔色がよくなって、神々しい美しさもパワーアップしている。

「ジョゼがほしいな」

 な、な、な……!

「げ、元気になったのなら、もう穴も塞げるんではないでしょうか!?」
「穴? ああ、今すぐ塞いでしまえばいいのか……?」
「はいぃ? 何怖いこと考えているんですか!」

 それって、つまり私が人間界に戻れなくなるってこと!

「ほら、僕は魔王だから」
「それは知ってる、知ってます!」

 ひいぃー!!

「帰り道を封鎖なんてしなくても、魔王城の掃除が終わるまでは毎日通うって約束しますから!」

 まだ閉じないでー!

 そのときタイミングよく、少し離れたところにいるゴブリンが、薬草のこんもり山盛りになった籠を高く掲げて見せてきた。

「ジョゼー、薬草はこのくらいでいい?」
「ち、ちょっと見せてー」

 そのお陰で私は不穏な会話から逃げ出すことができた。
 あ、危なかった……
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