神様、どうか目をつぶってください!
5. 再分断
あれから3週間が経ち、魔界は様変わりした。
「それでは魔王様の全快を、この出来立て聖女果実酒でお祝いしましょう!」
「ありがとう」
今夜は、すっかり綺麗になった魔王城のテラスで乾杯することにした。
「わあ、おいしいな」
「よかったです。薬草の栄養もたっぷりですよ」
『ふふんっ』と魔王様に笑顔を向けた。
でも、心の中は最近ずっと晴れない。
「ジョゼと毎晩飲むのは楽しかったけど、今日で最後か……ねえ、本当に明日帰るの?」
胸の奥がザワザワしてくる。
魔王様は毎晩こうだ。
ひと言だけ、こうやって訊いてくるのだ。
「か、帰ります! 神殿に戻って、神に仕える生活に戻ります」
私がこう言ってしまえば、この話はお終い。
魔王様は、決して引き留めようとはしてこない。
しかし、今日だけは違った──
「それでは魔王様の全快を、この出来立て聖女果実酒でお祝いしましょう!」
「ありがとう」
今夜は、すっかり綺麗になった魔王城のテラスで乾杯することにした。
「わあ、おいしいな」
「よかったです。薬草の栄養もたっぷりですよ」
『ふふんっ』と魔王様に笑顔を向けた。
でも、心の中は最近ずっと晴れない。
「ジョゼと毎晩飲むのは楽しかったけど、今日で最後か……ねえ、本当に明日帰るの?」
胸の奥がザワザワしてくる。
魔王様は毎晩こうだ。
ひと言だけ、こうやって訊いてくるのだ。
「か、帰ります! 神殿に戻って、神に仕える生活に戻ります」
私がこう言ってしまえば、この話はお終い。
魔王様は、決して引き留めようとはしてこない。
しかし、今日だけは違った──