嘘つきは誰

第1章一6人の日記

6人のグループでは明るくて容姿端麗の「神尾格」がリーダーだった。
「柊ちゃんがいればクラスがまとまるよね」
周囲からもそう言われるほど神尾柊という存在は一目置かれていた。そんな柊とグループである5人は「仲良し」を演じていた。
だがその中でも野崎美桜は異質な性格であった。
口数が少なく、意見を口にしない子であったため柊はあまり好んでいなかった。
そんな6人にはとある日課がある。
「今日日記書いてきた?」柊が放課後の庭園で5人に聞くと、「書いてきた」と全員が答える。
6人は交代でノートに授業の話や先生の話を書き他のメンバーと共有していた。
しかしその内容は決して平和なものばかりではなく中には美桜を標的にし心無い言葉が書かれることもあった。
初めは6人の仲を深めるために始まった日記だった
が実際には柊が美桜を追い詰めるための道具となっていった。
みんな柊に逆らえず、他のメンバーも柊に従って美桜に心無い言葉を送ることも少なくなかった。
「美桜ほんとに空気読めないよね」
「もうちょっと自分の気持ち話したら?」
美桜の日記にはページをめくるごとに悲しい言葉が書かれていた
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