君と始める最後の恋
「小川くん、どんな感じですか?」

「まだ数時間だしね。でも、不満だって顔は見てて取れるよ。入ってこんな感じだとは思わなかったって空気感に出てる。」

「でしょうね、急に何も言わずこれしてきてって働かされるんですから」

「ああ、言われてみれば昨年の君もそんな感じだった」


そう言いながら思い出したのか軽く笑っている。

笑い事じゃないですけど。とは思いながらも落ちてきていた髪を耳に掛けてラーメンを啜る。


「髪伸びたよね君。」

「今伸ばしてるんです」

「へー、良いんじゃない?」


良いんじゃない?とは言いつつも興味は無さそう。

聞いたんだから少しくらい興味持ってくれたら良いのに。

今の所こんな感じで全く脈はない。

まだ沙羅さんの事考えてるのかな。

気持ちの整理着いたら考えてくれるって言ってたけどそれがいつになるかはわからない。

髪伸ばしたのも、沙羅さんが髪長く色々ヘアアレンジしたりとかしてて可愛いなって思ったし先輩はそっちの方が好きなのかなって思ってしまったり。


「…先輩はロングのが好きですか?」

「髪型なんて好きならどうでもいい」


なんとも先輩らしいぶっきらぼうな答えだった。
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