君と始める最後の恋
「生まれてからもどうせ一緒に見に行くじゃん。」


先輩の発言に思わず先輩の方に顔を向ける。

何、今何かすごく可愛い発言しなかった?


「何、行かないの」


ちょうど信号待ちに捕まって先輩は私の反応がなかったのが気になったのかこちらに顔を向けている。

その聞き方をされているとすごく照れくさくて、恥ずかしくなってくる。

それと同時に私と一緒に会いに行く事を当たり前にしていてくれてすごく嬉しい。


「行きたいです、一緒に」

「そう」


短くぶっきらぼうに返事をすると、信号がちょうど青になってまた前を見て車を走らせる。

最近の先輩はやっぱりすごく優しい。

私の中での期待がどんどん膨れ上がっている音がした。
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