君と始める最後の恋
しっかり泣いてしっかり送ってもらった翌日、さっそく志織ちゃんに壁ドンという形で朝から捕まっている。


「意味わかんない、何でそれで付き合わないんですか?嫉妬って認めたんですよね。」

「お、落ち着いて志織ちゃん。」


志織ちゃんの目がバキバキで恐ろしい。

今にでも先輩に殴りに行くんじゃないかという程の殺気を放っている。


「え、両想い以外にある?嫉妬して好きかわからないって、じゃあ誰に他に嫉妬するんですか?」

「うーん、ただの独占欲…?」

「だとしたらクズです、私の郁ちゃん先輩は渡しません。」

「郁ちゃん先輩?」


私のために本気で怒ってくれている志織ちゃんが愛しい。

でもこの片思い期間は苦しいけど、今は少し楽しかったりするから良かったりする。

もう少しで好きになってくれるかも?って思う瞬間はすごく焦れったいけどこのドキドキは今でしか味わえないし。

それよりも今はまず先輩から仲直りに来てくれたのが嬉しい。


「こうなったらもっと小川くんに暴れてもらって、一ノ瀬さんに自覚していただきたいですね。」

「そんな言い方しない、というか小川くんは私を何も思ってない。」

「はあ?鈍感すぎません郁先輩。私郁先輩大大大大好きですけど、流石に呆れちゃう。」


本当に呆れた様な表情で言い放つ志織ちゃん。

仲良くなって私に遠慮が無くなっている。
< 132 / 286 >

この作品をシェア

pagetop