君と始める最後の恋
小川くんは私が好きっていうより懐いている感じだと思うけど…。

あまり恋愛的に見えていないからかそんな風に思ってしまう。


「うーん、やっぱり懐かれているだけじゃない?」

「それは先輩が小川くんを男の子として意識せず後輩として可愛がってるからですよ。郁先輩、実は人気あるのに何でこんなに無自覚なのか。可愛いですけど。」


文句を言いながらこうやって褒めてくれる志織ちゃんが可笑しい。

志織ちゃんが男の子だったらすごく好きになっていたかもしれない。


「私、志織ちゃんが男の子だったら告白してるよ~」

「私も男だったら郁先輩をとっくに口説き落としてます。この意気地なし男共が~!」


遠慮の無く何でも伝えてくれる素直な志織ちゃんに、私は救われているし大好きだ。

少し話してデスクの上の時計を見るといつもの時間だった。そろそろ先輩が来る。

コーヒーを淹れに行く時間が来て私はウキウキで給湯室に向かう。

この時間は私にとっても大事な時間なので毎日欠かさない。
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