君と始める最後の恋
コーヒーを淹れていつも通り出勤している先輩に「おはようございます」とにこやかに挨拶をしながらコーヒーを置く。


「おはよ、コーヒーどうも」

「いいえ、今日も桜庭の愛がたっぷり入ったコーヒーです。」


小声で耳元で言うと、少し驚いた先輩にペチッとおでこを叩かれてしまった。


「いったい!」

「気持ち悪い事言うな」

「あ、酷い!」


私の反応に鼻で笑うと、コーヒーを口に付けてもうパソコンと向き合ってる。

昨日はあんな甘い声で離れないで傍に居てとか言ってたくせに、その甘さはもうない。少し寂しい。

分かっていたけど、こんな一瞬で甘くなったり好きになってくれる人じゃないって。

こんな先輩後輩の時間も楽しいけど、やっぱり好きになってほしいし、もうちょっと頑張ってアピールしてみようかな。

そう思いながら先輩の姿を盗み見るも、アピールとは…?

私今まで大好きです~!というくらいで全くアピールしてない…?

これ以上どうやってアピールすれば…!
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