君と始める最後の恋
「桜庭さんの事、どう思いますか」
この話題いつか振ってくるんだろうなとは思っていた。
車内の空気が一気に冷え込んでいく。
決して穏やかとは言えない状況でこの空気感でこの子一緒に今から出先に行くわけ。せめてもう少し我慢すればいいのに。なんて思いながら、聞かれた事を冷静に答える。
「聞いてどうすんの」
「…桜庭さんはきっと、一ノ瀬さんが好きですよね。好きじゃないなら桜庭さんに期待させる様な距離感止めてもらえませんか。見てて痛いんです。」
「違うでしょ」
俺のいつもよりも低い声に小川が「は?」と小さく声を漏らした。
「君が…、俺が桜庭さんを好きだと困るから、でしょ。桜庭さんの恋実らなきゃ良いのにって思ってるくせに、何桜庭さんの為を思ってみたいな言い方してるわけ。卑怯だね。」
俺の言葉に図星だったのか、小川は何も返してこない。
「それに君に関係ない。俺が桜庭さんを好きでもそうじゃなくても。俺と桜庭さんの問題だから。」
そう言い切ると小川はそれから何も言い返してこなかった。
俺もパソコンに視線を落とし直して、ついでにスマホも確認すると桜庭さんからレッサーパンダが顔の前で手を組んで拝んでいる絵柄で«神ですか»と書かれたスタンプが送られてくる。
「(なにこれ、自虐?そっくり過ぎなんだけど。)」
彼女からの返信に思わず笑ってしまいそうになる。
本当、君だけだよ。こんなに俺の感情を動かしたりしてくるの。
この話題いつか振ってくるんだろうなとは思っていた。
車内の空気が一気に冷え込んでいく。
決して穏やかとは言えない状況でこの空気感でこの子一緒に今から出先に行くわけ。せめてもう少し我慢すればいいのに。なんて思いながら、聞かれた事を冷静に答える。
「聞いてどうすんの」
「…桜庭さんはきっと、一ノ瀬さんが好きですよね。好きじゃないなら桜庭さんに期待させる様な距離感止めてもらえませんか。見てて痛いんです。」
「違うでしょ」
俺のいつもよりも低い声に小川が「は?」と小さく声を漏らした。
「君が…、俺が桜庭さんを好きだと困るから、でしょ。桜庭さんの恋実らなきゃ良いのにって思ってるくせに、何桜庭さんの為を思ってみたいな言い方してるわけ。卑怯だね。」
俺の言葉に図星だったのか、小川は何も返してこない。
「それに君に関係ない。俺が桜庭さんを好きでもそうじゃなくても。俺と桜庭さんの問題だから。」
そう言い切ると小川はそれから何も言い返してこなかった。
俺もパソコンに視線を落とし直して、ついでにスマホも確認すると桜庭さんからレッサーパンダが顔の前で手を組んで拝んでいる絵柄で«神ですか»と書かれたスタンプが送られてくる。
「(なにこれ、自虐?そっくり過ぎなんだけど。)」
彼女からの返信に思わず笑ってしまいそうになる。
本当、君だけだよ。こんなに俺の感情を動かしたりしてくるの。