君と始める最後の恋

絡まる関係

「本当に、申し訳ございません。」


本当に何度謝罪すればいいのか、今回も起きて先輩の家に居た。

先輩は毎度私にベッドを奪われ、その度にソファーで過ごして時間を潰してくれているのだ。こんなに優しい人は居ない。


「…何か、聞きたい事とかないの?言っときたい事とか」


先輩の質問に何の意図か分からず首を傾げる。


「あ、幸せな夢見ました、そういえば。」

「夢?」

「はい、先輩がそういう素直で真っ直ぐな君が好きだよって告白してくれる夢!」


ニコニコと笑いながら話す私に、一ノ瀬先輩の呆れた表情をする。

バカじゃないのって一蹴されるやつだこれ。


「…本当、バカだな 」

「ええ、もうそれはご最もで。」

「改めて話は後日ちゃんとする。君は、泊まってく?」

「え、泊まってく?って、ええ!?」


時刻は確かに既に2時を回ってて終電なんてない。

無いけども!


「今から送るのも面倒だし、君が嫌じゃなければだけど。」


メイク道具、は鞄の中に入ってたよね?

着替えとかは?今から買いに行く?

いや、そんなん買える所は全部閉まってるよ!?

急なお泊まり展開に頭がいっぱいだ。


「あ、の。着替えも無いですし、タクシーで帰ります!」

「俺の使えば?」

「ああ、もうそんなん…。」


先輩の匂いがする服を着れるなんてそんな贅沢な事ないですけど!

とどこまでも少し変態思考の私が顔を出してお泊りしたい方向に傾いていく。
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