君と始める最後の恋
「あ、桜庭さん。ちょっと相談いいですか?」


ご飯中小川くんに話しかけられて、思わず咳き込みそうになる。


「う、うん?どうした?」

「水無月にも話があったからちょうど良かった。部長から補佐を付ける様にと言われてて、それで水無月の指導の進捗聞いてみろって言われたんですけど。」

「志織ちゃんは、もう何でも出来るよ。なんなら私以上に出来るし。」

「そうですか、それなら水無月にそのまま俺の補佐についてもらいたいんだけど。」


急な話に志織ちゃんが驚いている。


「もしかして私もう子離れの時期ですか?」

「逆ね、親離れ。それだとどっちが指導係かわかんなくなっちゃうから。」

「あながち間違いじゃないですけど」

「志織ちゃん????」


失礼な志織ちゃんに名前を呼ぶと無邪気な笑顔で笑っている。普段大人っぽいのにそんな笑顔が可愛らしくて仕方ない。

てことは小川くんも指導から離れるのかな。

まだ半年ほどしか経ってないのに、先輩の力量を流石と言うべきか、小川くんの吸収率に拍手すべきか。
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