君と始める最後の恋
車で住んでいる場所辺りまで戻ってくる頃にはもう日が暮れてとっくに月が顔を出していた。

このまま私家に送られるとかそんなことあるんだろうか。


「この後、まだ時間ある?」

「あ、…はい。」


そんなんこのまま帰されたらびっくりします!

この動揺を隠す様に窓の外を眺める。

街中を走っていたものの、段々離れて人や車通りが少なくなってきていた。

緊張してきた。遂にって事だよね。

ゆっくり深呼吸して、今の間に心の準備を整える。





𓂃𓈒𓂂𓏸






着いた先は夜景が一望できる裏スポットみたいなもの。

あまり知られては居ないのか人は居ない。


「時々頭整理したい時とかここに来てたんだけど君と来るとは思ってなかった。」

「ここすごいですね、初めて知りました。」

「うん、誰も連れてきたこと無い。」


その言葉に何だか特別が篭っている気がしてさっきまで不安だった気持ちがそれだけで少し晴れる。
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