君と始める最後の恋
────Side 充
類が「この子が俺の彼女になった」って郁ちゃんを目の前に連れてきた。
その郁ちゃんは照れくさそうに類の横で少し顔を俯かせているけど、頬や耳をかなり紅潮させている。
類は多分初めての恋人なんじゃないだろうか。
この間、初めて類が電話で相談をしてきた。
余程思い悩んでいたのか、俺に恋愛相談をしてくるなんてと少し嬉しくなったりもした。
『兄さんは、どうやって沙羅に告白したの』
「…そんなん聞きたいの?」
過去の事とは言え、類はきっと沙羅を好きだったと思う。
中々傷を抉ってしまうんじゃないかと躊躇っていたけど、類は珍しく笑っていた。
『もしかして俺が沙羅を好きだって思ってる?』
「好きだった、だろ。」
『まさか。沙羅だって俺を弟としか見てなかったし、俺も恋愛的に見てない。それに…、なりふりかまってらんないと言うか。今、気持ちが欲しい女の子いる。』
「それ、郁ちゃんの事言ってんの?」
『さあ、上手くいったら紹介する。告白する参考にするから聞かせてよ。』
ずっと沙羅を見てたくせに、最後まで俺にすら沙羅を好きだとは言わなかった。
それどころかいつしか前を見ていて、郁ちゃんのおかげかとつくづく感じた。
類が「この子が俺の彼女になった」って郁ちゃんを目の前に連れてきた。
その郁ちゃんは照れくさそうに類の横で少し顔を俯かせているけど、頬や耳をかなり紅潮させている。
類は多分初めての恋人なんじゃないだろうか。
この間、初めて類が電話で相談をしてきた。
余程思い悩んでいたのか、俺に恋愛相談をしてくるなんてと少し嬉しくなったりもした。
『兄さんは、どうやって沙羅に告白したの』
「…そんなん聞きたいの?」
過去の事とは言え、類はきっと沙羅を好きだったと思う。
中々傷を抉ってしまうんじゃないかと躊躇っていたけど、類は珍しく笑っていた。
『もしかして俺が沙羅を好きだって思ってる?』
「好きだった、だろ。」
『まさか。沙羅だって俺を弟としか見てなかったし、俺も恋愛的に見てない。それに…、なりふりかまってらんないと言うか。今、気持ちが欲しい女の子いる。』
「それ、郁ちゃんの事言ってんの?」
『さあ、上手くいったら紹介する。告白する参考にするから聞かせてよ。』
ずっと沙羅を見てたくせに、最後まで俺にすら沙羅を好きだとは言わなかった。
それどころかいつしか前を見ていて、郁ちゃんのおかげかとつくづく感じた。