君と始める最後の恋

自覚して

────Side 郁


目が覚めると後ろから抱きしめられていた。

前に手が回ってきていて私の手を繋いでいてくれている。


「(うわ…。何この素敵な朝…。)」


昨日あの後気絶する様に寝ちゃって全く記憶ない。

ずっとこうやって抱き締めてくれていたのかな。

背中に直接素肌が当たる類くんの体温が愛しい。


「ん、起きた?」


後ろから耳元で声が聞こえてきて擽ったい。


「はい、おはようございます。類くん。」

「うん、おはよ」


朝から若干の甘さを感じてしまう。

まだ眠たそうでボーっとして少し甘えてくる様に抱きしめる力を強くしてくれる。

朝から甘えてくる類くんが可愛くて仕方ない。

手を握っていると、類くんも握り返してくれる。
< 215 / 286 >

この作品をシェア

pagetop