君と始める最後の恋
「一ノ瀬さんのスパルタ初めてみました。」

「私が1年目はずっとああだったんだよね。まさか3年目でもこうなるなんて思わなかったよ。」


溜息を吐くと志織ちゃんは笑っている。


「でもいいんだ、きっと私が部署異動したら寂しくなるよ、先輩。私のコーヒーが無いと元気に仕事出来ないでしょ。丸2年もやってたからね!」

「コーヒーボタン押すだけで一緒ですよね?」

「正論止めて、志織ちゃん。」


確かにボタンを押して砂糖2個ミルク2個入れるだけだけど。

でも、それが出来る特権は私だけのものだったのに、他の誰かがやる事になるのかな。

そう思えば酷く寂しい。


「…毎朝2課に私がコーヒーを淹れに行く?」

「郁先輩、それ軽い監視と変わらないです 」

「そ、そうだよね?」


流石にうざったすぎるかと反省をした所で正直、他の補佐が類くんに着くのは少し寂しかった。

みんなに付き合ってるって言えるのは良い事なのにこれって我儘?

類くんといると全部私が良いって最近思ってしまって、どんどん欲張りになる。
< 237 / 286 >

この作品をシェア

pagetop