君と始める最後の恋
コーヒーを入れて2課の島のところに行くと類くんは既に来ていた。


「おはようございます、一ノ瀬先輩。」

「おはよ。」

「もう、コーヒー淹れておいてなんてどうしたんですか!離れて初日なのにもう桜庭が恋しくなっちゃいました?」


そんな軽い冗談を言うと類くんはこちらに真顔で視線を向ける。


「それは君の方じゃない?俺は自分でコーヒー淹れるのが面倒なだけ。」


そう言って私の手からコーヒーを受け取ると「ありがとう、戻っていいよ」と言ってデスクに着く。

なんだかこんな態度でも察せてしまう。

類くんなりの甘え方だと思う、素直じゃなくても可愛い。

思わず笑うと、類くんはまたこちらに視線を戻す。


「何、まだいたの。」

「もう戻ります!また飲みたくなったら言ってくださいね」

「はいはい」


類くんの素直じゃない返事を聞いて私も自分のデスクに戻る。
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