君と始める最後の恋
先にデスクに着いて先に情報の確認などをしていると私のデスクの隣に誰か来る。

ふと顔を上げると、身長高めの男の人だった。

その顔は何だか見覚えがあって2人とも見つめ合う。


「…郁?」

「え、結絃《ゆいと》?」


高校生の時の元彼。

大学で遠距離になるのをきっかけに別れた元彼だ。

お互いこんな所で会うなんて思ってなくてお互いに固まってしまう。

まさかヘッドハンティングされてきたのが結絃だと思わなかった。

小鳥遊《たかなし》 結絃《ゆいと》。

特に嫌いとかそんなんで別れたわけではないけど、遠距離恋愛が無理だった私のせいで別れた人。


「補佐って…、郁?」

「そうだけど、まさか結絃がここに来るなんて…、すごい偶然だね」

「なんだ!どんな奴か不安だったけど、郁ならちょっと安心。」


そう言いながら笑って隣のデスクに着く。

確かに初日が見知った相手なら安心な理由は少しわかる。
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