君と始める最後の恋
Episode12

面倒すぎる関係性

それからしばらくして3課の空気感にも慣れてきた頃だった。

結絃の歓迎会を部署内で開くらしくて、そんな話が出始めていた。

歓迎会は、行かないかな。

そう考えていると同じ課内の先輩に声を掛けられる。


「郁ちゃんはどうする?」

「あー…、私歓迎会の話一ノ瀬先輩にしてなくて…。家事分担しててやる事やらなきゃなのでやめときます」


なんて苦笑いしながらそれらしい理由を話す。

先輩は「えー!」なんて声を出すと結絃が笑う。


「仕方ないですよ、俺気にしてませんから!」

「でも郁ちゃんの歓迎も含めてしたかったのに。一ノ瀬ー!」


先輩が別の島に居る類くんに声を大きな声を掛ける。

類くんはふと顔を上げるとこちらに真顔で目を向けている。

別に聞かなくて良いんだけどな…。

そんなに飲み会行きたいわけでもなかったし。

一ノ瀬先輩が補佐の子に何かを話すと、こちらに歩いてくる。


「何か御用ですか?」

「今日、郁ちゃん借りていいよね?小鳥遊くんの歓迎会と合わせて郁ちゃんの歓迎会もするんだけど」


その言葉に先輩の目がこちらに向く。

そんな聞かれ方して類くんも駄目なんて言えるはず無いじゃない。

聞き方すごくずるい気がする。
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