君と始める最後の恋
仕事終わり、資料室から戻ってきてそのまま飲み会に向かおうと準備をしていた時だった。

背後から「郁」と声を掛けられて振り向くと、類くんがそこに居た。


「今から行くの。」

「はい、少しだけ顔出して、遅くなりすぎない様にしますね。」

「そう、帰る時連絡して。迎え行くから。」

「…本当どうしたんですか?何でそんなに優しい?」

「君の酒癖で誰かに迷惑かけるのが嫌なだけ。すぐ寝るし君。」

「理由優しくない…!」


私の反応に類くんが少し微笑みを見せると、頭を軽く撫でてくる。


「とりあえず連絡して。」


それだけ言うと戻っていってしまった。

今日の先輩は何だかいつもより甘い?
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