君と始める最後の恋
スマホの画面が光って軽く開くと、類くんだった。


«コーヒー欲しい»


なんて一言だけ送られてくる。

これを志織ちゃんに話すと「亭主関白の夫かよ!?」ってツッコんでたけど、何でも出来る類くんがコーヒーだけは私にお願いしてくるのが可愛いのだ。

家ではもちろん自分で入れるし、なんなら私の分もくれる。

そんな類くんが唯一甘えてくる。

類くんの方を見ると目が合って小さく指ハートを送ると、無視された。

相変わらず過ぎて苦笑いしてしまう。

給湯室に向かって、いつもの類くんのマグカップを掴んでコーヒーマシーンにセットしてボタンを押した。

新しい補佐いるのにこれだけは任せてくれるの、ずっと私が専属みたいで嬉しいな。

そう浮かれてると給湯室に類くんの補佐の子が来る。

私の手元のマグカップを見て「あの!今の補佐は私なので!私がやります!」と奪おうとしてきていた。


「(え、ええ?)」


もしかして類くんをすき?と思った事はあるけど思ったよりも敵視されてた。

困惑が止まらないまま危ないのでひとまずコーヒーは避難する。
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