君と始める最後の恋
────Side 志織


本当に何か郁先輩って放っとけない。

小川くんの時は付き合うはず無いなという確信もあったけど、今回ばかりは放ては置けない元彼。

元とは言え過去にお互い好き同士で、そしてそんな元彼は郁先輩を好き。

それでいて、元彼とは嫌いで別れた訳では無い。

もちろん郁先輩の気持ちが心変わりするなんて思ってない。

思ってないけど、どうしてあの2人はすんなり幸せになれないのか。

私が入る事でもないけど、単純に嫌だった。

郁先輩と一ノ瀬さんの間を掻き乱されるのが。

出先に行こうとしてる小鳥遊さんを私は呼び止めた。

誰もいない廊下で初めて。


「あの!お話あるんですけど!」


私の少しカリカリとした様子に驚いた表情を向ける小鳥遊さん。

そりゃそうだろう、課が違う郁先輩の後輩に急に呼び止められたんだから。
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