君と始める最後の恋
「俺?何の話?」

「単刀直入に言います、郁先輩を諦めてください。」


至って真剣に言う私の言葉の後、小鳥遊さんは少し目を見開いたけどその後すぐに細めて笑い出す。

何笑ってんだこの男。

殴り倒したい気持ちをグッと堪えて小鳥遊さんの言葉を待った。


「んー、何で?俺が好きで居ようが関係なくない?」

「あの2人の幸せを邪魔して欲しくないからです。もうこれまで十分邪魔されてきたので、貴方みたいな役は足りてるし、付き合える事なんてありませんのでさっさと諦めて欲しいんです!」

「…そう、水無月さんだっけ?」

「そうですけど。」

「郁の為に一生懸命で可愛い。そんなお願いじゃなきゃ聞いてあげられたんだけど、俺自然と諦めつくまでは好きなのやめられないから」


なんて揶揄う様に笑って「可愛い」なんてほざきやがる目の前の男。

私、苦手だこの人!

厄介な人に喧嘩を売ってしまったのかもしれない。
< 273 / 286 >

この作品をシェア

pagetop