君と始める最後の恋
突然後ろから腕をガッと上げられて驚く。


「へっ!?」

「…もう業務終わった?」


類くんがここに居て、私も結絃も突然の事に驚きが止まらない。


「あ、はい。チェック終わったんで、終わりっすけど…」

「そう、じゃあ連れ帰るから。この子。」

「ちょっと!?類くん!」


鞄を類くんが持つとそのまま腕を引いてオフィスから離れる。

何でここに居るの?

何で急に腕引っ張るの!?

とか聞きたい事は山ほどあるのにどれも言葉には出来なかった。





「─はは、独占欲強すぎだろ。一ノ瀬さん。」




そう苦笑いする結絃には気付かない。
< 275 / 286 >

この作品をシェア

pagetop