君と始める最後の恋
「昼時だしお腹減った。何食べたい?」

「パスタ食べたくありません?チーズたっぷりのカルボナーラです!」

「うわ、重たそう。でもちょっと気になる。」


先輩と話しながらその気になるパスタのお店に行ってみる事にした。

その歩いている最中も横にいる一ノ瀬先輩の顔を見てしまう。

オフィスカジュアルなスーツを着ている時もかなり格好良いし、営業行くときに着るビシッとしたスーツの時も格好良い。

私服、こんな緩い感じなんだ。

夏前でそこまで暑いわけでも寒いわけでもない時期。

何でそんなシンプルな着こなしなのによく見えてしまうんだろう。


「見すぎ。キモい。」

「女の子にキモいとか言っちゃダメです。」

「君だからだよ。」


そう言って笑う先輩に思わずキュンとしてしまった。


「(いやいや、失礼な事言われてるから私。キュンじゃないんだよ。)」


自分にツッコみつつも、揶揄ってくるその笑顔が好きなのやめられない。

そんな浮かれている私の元に、天罰を下す様な出来事が起きてしまう。


「もしかして…君が行こうとしてた店あれ?」


あれ、の方向を見ると看板がドアにあって«定休日»と書かれている。


「あれ!?何で!?」

「…ベタすぎじゃん。」


大事なデートにありがちなやらかしをしてしまう私に、呆れた様に笑う先輩。
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