君と始める最後の恋
助手席に「お邪魔します」と乗り込ませてもらうと、よく見るカフェのテイクアウトした様な紙袋があった。

買ってきちゃったって、これのこと?もしかして。


「どっちがいい?アイスカフェラテとレモンティー。」

「…レモンティーで。」

「だと思った。」


そう言いながらレモンティーを手渡してくれてそっと受け取る。

私の好み把握してくれてるのがこんなに嬉しいなんて。

前回もここのカフェでお店で選んで買ってきてくれて。


「ありがとうございます、先輩。」

「こっちこそね、それじゃ、出るよ。」


そう言いながらゆっくり車は走り出す。

レモンティーをありがたく貰うと、いつもどおりおいしい。

まさかこんな事してもらえるとは。

ちらっと隣で車を運転する先輩を見ると、運転してる姿も格好良くてときめいてしまう。

だめだ、諦めたいのに諦められないこんなの。

好きで仕方ないと会う度に思わされてしまう。


「沙羅、楽しみにしてたよ。君に会えるの。」

「嬉しい!私も沙羅さんに会いたかったんです!」

「来てよかったじゃん、じゃあ」


その言葉に素直に「はい」というのには少し時間がかかってしまった。
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