君と始める最後の恋
それから美味しくご飯も頂いて、後片付けで洗い物をしに行っていた。

3人には少しでも休んでほしくて1人洗い物に来たが、1人になると色々考え込んでしまう。

こんな短期間でも好きな人が好きな人を見てる瞬間って辛いのに、先輩はこれと長年付き合ってきたんだな。

恋だなんてそんな軽い言葉で済ませられないものを感じてしまう。

沙羅さんも充さんも暖かいし2人共すごく良い人で、お似合いの2人だ。

もうすぐ結婚ともなればどのくらい長く付き合ってきたんだろう。

そんな事を考えながら洗い物をしていると頬に冷たいものが当たる。


「わっ!?」


後ろを少し振り返ると一ノ瀬先輩がオレンジジュースのペットボトルを頬に当ててくれていた。


「声掛けてくれればよかったのに。君だけ働くなんてそんな事しなくても。」

「いえ、私が一番今日何もしてませんから。」

「そんな事無いと思うけど。」


そう言いながらオレンジジュースを置いて隣に並んで一緒に片付けをしてくれる。

何で今来ちゃうかな。気まずいとかないの。

私は今気まずくて仕方ないのに。
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