君と始める最後の恋
「なんか結婚式の話とかもあって決める事もたくさんあるけど充くんは仕事優先気味で、結婚したいのなんて私だけなんじゃないかとか不安になっちゃって。」

「え、でも、充さんは沙羅さんの事大好きですよね?私から見ても伝わると言うか。」

「そうだよね…、なんか分かってても不安になっちゃう事ってあるのかな。結婚前に色々不安になってるのかも。」


そう言って苦笑いしていた。

私には縁の無い話すぎて、何て返していいかわからないけど不安なんだな。


「沙羅さん、充さん心配します。ひとまず一緒に帰りませんか。」

「うん…、ごめんね。もう少しだけ。」


マリッジブルーっていうのかな、こういうのを。

私も気の利いた言葉を言えれば良いんだけど。

私がしなければいけない事を考えて、きっと心配しているであろう充さんにこの状況を伝えたいと思った。

だけど私は充さんの連絡先を知らないから、せめて一ノ瀬先輩伝手に伝えようとスマホでメッセージの連絡先から一ノ瀬先輩の名前を探す。

見つけ出すと先輩とのトーク欄を開いて、今沙羅さんと一緒にいる事と、安全な所に居るから充さんに伝えてほしい事を簡潔に文にして送信した。

スマホを閉じてから、目の前で気分が沈んでいる沙羅さんを見る。

あんなに愛されているのに不安になる事もあるんだな。

恋愛って難しすぎて、本当によくわからない。

そもそも好きな人と両想いで結婚するなんてそんな奇跡が起きてる時点ですごいと思うんだけど。

結婚前も色々あるんだな。
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