君と始める最後の恋
「…送っていく。」

「…嫌です。」

「嫌って…、桜庭さん頑固ってよく言われない?」

「言われないです。でも今日は先輩に送られたくありません。」

「今日だけは1人にしない。」


今日だけはって何。

子供じゃないんだから1人で帰れるし。

いつも以上に先輩も譲らなくて困る。

私の事なんて放って置いてほしかった。

こんな時まで優しくしてくる先輩に嫌になる。

この間私が言った事忘れたんだろうか。


「帰ろう」

「嫌です、向こう行ってください。何で私の事引き止めたんですか、沙羅さんの事、送ってけばよかったじゃないですか。」

「もういいって沙羅の事は、君に関係ない。」

「そうですよね!それはすみませんでした!私がどうなろうが先輩に関係ないので放っておいてください!」

「何なの、本当面倒くさい。」

「そうです!面倒くさいです!」


そんな風に怒りながらいつの間にか泣いてしまっていて、涙で見えなくなるのをメイクの事も気にせず袖で拭う。
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