君と始める最後の恋
Episode4

2度目の

それからしばらく経ったある日の昼下がり。

この時間はお昼を食べ終えて満腹で、陽も当たってぽかぽかで、余計に眠たさを誘われてしまう。

このまま眠ってしまいたい気もするけど、目の前のデスクに目を向ければ見たくもない書類にうんざりする。

コーヒーでも淹れに行こうかと席を立つ時に、隣に居る一ノ瀬先輩に声を掛ける。


「先輩、コーヒー飲みます?」

「いや、この後出てそのまま直帰するから。」

「あ、そう言ってましたよね。」

「そ、だから君も良い所で今日は帰りなね。」

「了解です。」


そう返事をして出る準備をする先輩を見ていると、ふと先輩の顔がこちらに向く。

そして目が合って、1…2…3…と目があってしまった。


「(な、何?)」


首を傾げると、先輩が「日曜日、何か予定ある?」と聞いてきた。

何でそんな事を聞くのかわからないけど「いえ、特に無いですけど。」と答えると先輩は「そう」と返事をして鞄に目を向ける。


「(な、なんなんだ?)」


鞄を持ってもう出ようとしている先輩を見ていると「日曜日、そのまま空けといて。後で詳細送る」と言いながら行ってしまった。

日曜日空けといて…?全く意図がわからない言葉に困惑が止まらなかった。
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