君と始める最後の恋
お昼も食べ終わってこの後の予定はもう無かった。

用事も済んだし、今日はここで解散するのだろうか。

そう思っていると一ノ瀬先輩が「君、まだ時間ある?」なんて声を掛けてくる。


「え、ありますけど…。」

「結婚式の時着けていくネクタイとか買いたいから付き合って」

「えっ!?」


まさかそんな事になるとは思わず驚いた。

このまま用事も済んだし帰ると思ってたから。

何でここまで一緒に居ようとしてくるんだろ、期待出来ない状況のはずなのに期待しちゃいそうになる。

駄目なのにここで拒む事も出来なくて、先輩の事になるとどこまでも意思が弱い。


「…わかりました!」

「ん、こっち」


そう言いながら歩き出す先輩の後ろを着いていく。

何でこんなにデートっぽいのか。

先輩の事、何度も諦めようと思うのに一緒に居ると全然諦められない。

こんなんドキドキしすぎて、先輩の顔が見られない。
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