君と始める最後の恋
車は少し走り出して数十分後、到着して来たのはリバーウォークでその通りをゆっくりと2人で歩いていた。

夜少し遅いだけに人はいない。

少し立ち止まって2人で並んで川の音を聞きながら眺めていた。

正直それどころじゃなくて、何を言われるのかヒヤヒヤしている。


「今日、式に来るまでは結構自分の気持ちの事で不安だったんだけどさ」

「…はい」

「沙羅の姿見ても何も思わなかったわけじゃないし、伝えておけばよかったなとか色々後悔はしてるんだけど、意外と平気だったんだよね。」

「平気、ですか?」

「うん、まだ好きだとも思うけど、でもそれよりも早く過去の気持ちにしてしまおうって前向けてた。結構純粋な気持ちで兄さんと沙羅の事祝福出来てて、自分でも少し吃驚したくらい。」


確かにそう話す先輩の表情はすごく柔らかくて声も優しい。

嘘ではないのがよく伝わってくる。

義姉さんと先輩が呼んだ瞬間は私にも来るものがあった。

本当に前向けそうなら、良かった。


「君のおかげなの、分かってる?」

「へ、何で私。」

「…分かってないならそのうち理解して。」


そう言って私の元から少し離れるように先を歩き始めてしまう。

どういう事…?全く意味がわからない。
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